多汗症
多汗症とは、日常生活に支障きたすほどの多量の汗を生じる状態を指します。直接的な原因が不明である原発性と、原因となる疾患が存在する続発性に分けられます。
また、発汗する部位によって全身性多汗症と腋窩、手掌、足底などのある特定の部位の発汗が促進する限局性多汗症に分類されます。
原因となる疾患としては、感染症、神経性疾患、内分泌疾患、悪性リンパ腫や向精神薬などの薬物の副作用などがあげられます。
全身性多汗症の治療
-
01プロバンサインの内服
※抗コリン薬で、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げることで発汗を抑える作用があります。
-
02漢方薬の内服
原発性局所多汗症の治療
-
01塩化アルミニウムの外用(腋窩、手掌、足底など)
※汗を出す汗管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
-
02エクロックゲルの外用(腋窩に限る)
※アセチルコリンの働きの抑制作用
-
03ラピフォートワイプの外用(腋窩に限る)
※アセチルコリンの働きの抑制作用
-
04アボハイドローションの外用(手掌に限る)
※アセチルコリンの働きの抑制作用
-
05ボツリヌスの注射法(腋窩、手掌、足底など)
※ボツリヌス菌が作る成分を局所に注射して交感神経からのアセチルコリンの放出を抑制することで発汗を抑える作用があります。
-
06イオントフォレーシス(手掌、足底)
※手掌、足底を水道水の入った容器につけて電流を流すことで、通電により生じた水素イオンが汗の出口を障害して発汗を抑制すると考えられています。
-
07胸腹鏡下胸部交感神経遮断術(手掌に限る)
※治療法の5)の手掌、足底、6)7)は当院では行っておりません。